2010年03月31日

「鳩山さんを実力あるように見せたかった…」虚偽記載の動機語る 鳩山首相元公設秘書初公判(産経新聞)

【鳩山首相元公設秘書 初公判】(3)

 《鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)に対する弁護人の被告人質問が続く。鳩山首相側が実母から毎月1500万円を受け、その一部を他人名義の献金にしていたことについて、勝場被告は小さな細い声で淡々と答えていく。顔は、ややうつむき気味だ》

 弁護人「平成6年1月、あなたが(鳩山首相の公設)第1秘書になってから一貫して経理を担当したということですか」

 勝場被告「そうです」

 弁護人「たびたび事情聴取を受けましたね。鳩山さんのお母様からお金を受けたことは、言わないでおこうと思えば、言わずにすんだ。いいにくいことなのになぜ包み隠さず話そうと思ったのですか」

 勝場被告「第1秘書としてやってはいけないことをやってしまった反省を、あの、すべてお話ししようと…」

 《語尾はほとんど消え入りそうな小声だ》

 弁護人「声が小さいですが、やってはいけないことをやった反省から正直に話す、捜査に全面的に協力するという、そういうことですか」

 勝場被告「そうです」

 弁護人「理由は何ですか。悪い金を隠すためじゃないなら、『議員から借りた』と言えばいいのに、名前を借りたり、違う金額を書いたりしたのは、なぜですか」

 勝場被告「まあ、ひとつはやっぱり、鳩山さんに将来大きいことができる政治家になってもらいたいと。そういう実力があるように見せたかったのですが、それだけのお金が実際には、集まっていなかった…」

 弁護人「まず、金を集めるのは秘書の仕事だから、それができていない自分の問題だということですか。2つ目には、自分が仕える鳩山さんがお金を集めることをできないということに耐えられなかったということですか」

 勝場被告「そうです」

 弁護人「昨年6月にマスコミの報道があり、6月末に秘書を解任されましたね。退職金はもらったのですか」

 勝場被告「公設秘書としての退職金はもらったのですが、『禁固刑が出れば返納しなければならない』と衆議院から言われ、手をつけずに取ってあります」

 弁護人「金額はいくらですか」

 勝場被告「1500万円です」

 弁護人「検察の取り調べは何回受けましたか」

 勝場被告「だいたい20回です」

 弁護人「時間も長く厳しかったようですが、その間、家で生活する気分はどうでしたか」

 勝場被告「罪を犯した意識がありました。取り調べで自分の供述した内容に個人名が含まれていれば、その人に迷惑をかけるという罪の意識があって不安定な状態でした」

 弁護人「関係者の名前を出すことも精神的に大変だったと?」

 勝場被告「はい」

 《勝場被告はほとんど声にならない声で答える》

 弁護人「家族に対してはどうですか。奥さんに対しては」

 勝場被告「まあ、多くを話しても分かってもらえると限らないから、罪を犯したことは話した。そして、すべて終わるまで協力してほしいと」

 弁護人「それに対して奥さんは」

 勝場被告「ありがたいことに、別れるわけにもいかないから『がんばれ』ということでした」

 弁護人「奥さんも大変でしたね」

 勝場被告「毎日、記者やカメラマンが来てカメラで狙われたりした。近隣にも申し訳ない。家内も娘も外に出られない、出たくないという状態に追い込まれました」

 弁護人「2人の娘さんは20代でたいへんですね」

 勝場被告「1人は通勤で昼間外に出るが、下の娘は病気がよくなったばかりでした。回復してきていましたが、よりシビアな状態になりました」

 弁護人「マスコミのせいにはできませんね。自分で苦しむしか…。本来なら、情状証人として奥さんや勤め先の人に来てもらう。でも、あなたは結論的には呼ばないことにした」

 勝場被告「これだけ女房にストレスをかけきて、さらに多くの人に見られる中に立たせて、ストレスを与えることは私にはできませんでした。その結果、刑罰に影響が出ても…」

 《声を絞り出すように話す勝場被告》

 弁護人「秘書の解任後、仕事はしていますか」

 勝場被告「していません」

 「ひとつは夏に大きい病気をし、治療が終わるとともに取り調べが始まりました。すべてが終了したところで再就職したいと思います」

 弁護人「これからの仕事はどうしますか。また政治にかかわる仕事をしようとは?」

 勝場被告「正直なところ、全くありません。政治にかかわる仕事はしようとは思いません」

 《勝場被告は、こう答えた上で、つけ加えた》

 勝場被告「何人かからは(仕事を)一緒にしようと言われていますので、話を伺ってから決めたいと思います」

 弁護人「秘書の仕事はやりがいがあり、鳩山さんが好きとおっしゃっていましたね。残りたくはないですか」

 勝場被告「まあ、この世界にいなければ犯しようがなかった罪でした。罪を犯して再び戻るべきではないと今は思います」

 弁護人「総理に対してどんな思いを今、持っていますか」

 勝場被告「20年以上にわたって私を心底、信頼して使っていただいて、結果、こうなってしまったことを後悔してもしきれない思いです」

 弁護人「最後に伝えたい思いがあれば」

 勝場被告「収支報告書に無断で名前を使ってしまった方、遺族の方にたいへん申し訳ないことをしました。心からおわびしたい」

 「今回のことで政治家に対する不信感を国民の皆さんに与え、政治離れが起きたとしたら、本当に申し訳ないと思います」

 《弁護人の質問が終わった。次に検察官が被告人質問に立つ》

 検察官「鳩山さんの個人資産やパーティー券の収入を、お母さんからの資金と区別することなく、管理していた。そうですね」

 勝場被告「はい」

 検察官「政治資金規正法上、どのような資金か、きちんと区別しておくべきだったのでは?」

 勝場被告「おっしゃるとおりです」

 検察官「資金の管理を曖昧(あいまい)にして帳尻を合わせた。結局被告の管理がずさんだったのでは」

 勝場被告「そうです」

 《うつむき気味だった勝場被告は、すっかり下を向いてしまった。続いて裁判官が質問を投げかける》

     =(4)に続く

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2010年03月30日

女性駅員に下半身露出 東京消防庁副士長を逮捕(産経新聞)

 女性駅員に下半身を露出したとして、警視庁成城署は、公然わいせつの現行犯で、東京消防庁調布消防署の副士長、北丸直朋容疑者(34)=東京都渋谷区本町=を逮捕した。同署によると、北丸容疑者は逮捕時に「酒に酔っていて、覚えていない」と話していたという。

 逮捕容疑は、今月24日午後5時10分ごろ、世田谷区の京王線桜上水駅の窓口にいた女性駅員の前でズボンのチャックを下ろし、下半身を露出したとしている。

 東京消防庁によると、北丸容疑者は同日午前8時40分まで勤務していたという。同庁の湯浅達也広報課長は「詳細については確認中です。容疑が事実であれば大変遺憾であり、厳正に対処します」とコメントした。

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2010年03月27日

壁画どこへ行く 高度成長期の最先端「西長堀アパート」(産経新聞)

 高度成長期のモダンな建築として知られる「西長堀アパート」(大阪市西区)で、戦後の前衛グループ「具体美術協会」のリーダー、吉原治良さん(1905〜72年)の壁画が忘れ去られた状態になっている。アパートそのものも耐震基準の問題から入居募集を中止。近く建て替えか、補修かの結論を出さなければならず、壁画の取り扱いの決断が迫られている。吉原さんは戦後の抽象絵画の牽引(けんいん)者として欧米でも著名で、美術関係者からは「公的な美術館への寄贈などを考えてほしい」との声が上がっている。

 壁画は昭和33(1958)年、吉原さんが具体のメンバーらに指示しながら約4カ月間にわたって制作。サイズは縦約2・5メートル、横3・8メートルで、フランス、イタリア、ポルトガルなど色の違う世界各地の大理石や御影石などを張り付けている。当時、玄関ロビーで目立つ場所にあったが、現在は仕切りが新たに設けられて談話室になり、壁画の前には卓球台やいすが並べられている。

 アパートは、同じ年に総戸数263戸として日本住宅公団(現・UR都市機構)が建設。各戸に「水洗式洋風便所」「タイル張りのバスルーム」「バルコニー」が設置された当時の最先端の建物だった。作家の司馬遼太郎さんや、女優の森光子さんら文化人も多く住み、当時のパンフレットには森光子さんが登場。「1階ロビーの壁には吉原治良先生の力作が描かれているとか。これやったら一流ホテルばりやわ」と言葉を寄せ、壁画が話題だったことが分かる。

 ただその後、約50年間にわたる入居者の入れ替わりなどで壁画の存在は徐々に忘れ去られ、平成18年3月には耐震基準の問題から入居募集を中止。現在では空室が増え、作品の価値を認識している住民も少なくなっている。

 UR都市機構西日本支社(大阪市城東区)は、「壁画の取り扱いについては現段階では決まっていない。ただ、価値のあるものだという認識はしており、できるだけ残したい」としている。

 当時の資料をもとに作品を見つけ出した「具体」のメンバーだった造形作家の今井祝雄さんは「吉原さんが生きていたら『何とかならんのか』と悲しんでいたと思います。もっと街の中のパブリックアートを大切にしてほしい」と話している。

 ■公立の美術館で保存を

 大阪大学総合学術博物館の橋爪節也教授(美術史)の話「大胆な構成が『具体』の指導者として世界に注目された吉原らしい作品だ。当時は日常生活に溶け込んだ作品で社会にアピールすることも、美術家には魅力的だったのだろう。大阪には思わぬところに著名な美術家のモニュメントやレリーフなどの作品が残されており、公立の美術館で保存し、公開されるべきだ」

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